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北陸朝日放送制作「指揮者岩城宏之最後のタクト」を見た。
岩城宏之氏のことは著作もいくつか読んでいたし、本映像に収録されたエピソードの類のことはたいてい知ってはいた。 度重なるガン手術などによって体調は良くないのに、なぜベートーヴェンの交響曲全曲演奏を一晩でやろうと考えたのか。その話を耳にした当時は、馬鹿げているとしか思えなかった。指揮者の勝手な話題作りのために演奏者たちが巻き沿いにされて迷惑だろうと考えていた。聴衆だって、長い休憩を入れるとはいえ、午後3時半から深夜1時までの約10時間に及ぶ演奏会につきあうだけでも、もの凄いエネルギーを要求されるから。 でも晩年の2年ほどの、舞台裏を含めた映像を見て、これほど心が揺さぶられるとは思わなかった。 日本人は、モーツァルトやベートーヴェンではヨーロッパに勝てない。その意味もあって、日本人作曲家に新曲を委嘱し初演してきた岩城宏之氏。その氏が自分の残りの人生をかけたいと思ったのがベートーヴェン。原点回帰というのはこのことか。 一夜限りのはずだった全曲演奏会は、それを演奏したのがN響メンバーだったせいか、自身が設立したオーケストラ・アンサンブル金沢からもやらせてほしいと懇願され、再びやることになってしまう。 肉体は悲鳴を上げていただろうが、精神は大きな充実感を味わっていたようだ。 「ベートヴェンにはまっています」と無邪気に応える笑顔が清々しささえ感じる。 登山家が、さまざま準備をしているとはいえ、命がけでエベレスト級の山に挑戦するのに似ているのかもしれない、なんてことが頭をよぎった。 「ベートヴェンの交響曲は9曲で巨大な1曲だね」といったのが印象的。 9曲全曲通して演奏すると、そう俯瞰されるものなのだろうか。 私は指揮者でないし、仮に指揮者であっても全曲通して演奏する気もないが、CDで全曲通して聞くことならできる。が、はたしてそんな気になるかな。 余命半年などと宣告されたら(岩城氏は宣告されていないと思うが)、皆さんは、いったい何に時間を費やしたいでしょうか。そんなことを考えた。 PR |
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