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ナノカーボンの科学 (ブル-バックス)を読んだ。
炭素が60個、サッカーボール状につながったC60や、チューブ状につながったナノチューブなど20世紀後半の最後の十数年の間に次々と発見された化合物の研究競争の生々しい物語。
著者自身がそういった競争の中にいる現役研究者であり、関係者との実際のやりとりも書かれていて、「人間物語」だということが伝わってくる。
これらの発見で興味深いのは、彼らの多くがもともと化学者ではないという点だ。
宇宙物理学など異分野の人たちが発見に大きく関与している。
著者は、セレンディピティという言葉で表現し、その上で、偶然を見逃さない力を必要だと言っているが、私は先日NHKのプロフェッショナル仕事の流儀で見た長沼毅氏の言葉「思い込みを捨てて、思いつきを拾え」を思い出した。
自分が期待したものと違う結果を見たときに、その分野に精通している人なら、「おや、何だろう?」と気がつくはずの一種の異変を、時間がないからとか、目的物と異なるからといって切り捨てないで、ちょっと回り道のようでも、その物質をきちんと調査していれば、著者も大発見の一人になれた可能性があった。

それにしても、この本を読んでいてノーベル賞の選考委員も大変だと思った。
毎年、各分野に最大3人までしか選ぶことができない規定になっていらしい。
1996年の化学賞には、「フラーレン(C60)の発見」という功績に対して3人が選ばれている。が、その後の世界の研究者たちに大きな貢献をしたのは、フラーレンの多量合成法を編み出した人たちで、彼らは選考からもれたのだ。
その一人がもらした言葉「じゃあ、ノーベル賞を獲得するためには一体どんな論文を書けばいいのか?」には気の毒としかいいようがない。

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