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音楽の素人らしいが熱狂的なクラシックファンのページに行き当たった。 たつやくんのページ。それなりにいろいろなクラシック音楽を聞いているようだが、なかでも、チャイコフスキーにべた惚れのようだ。「チャイコフスキーのある部屋」に入ると、いきなり、弦楽のためのセレナーデの第1楽章(TVコマーシャルで昔、「オー人事、オー人事」のBGMで使われていた)が流れ、「神様のいたずらか何かで、ハイドンとモーツァルトの全ての交響曲をこの世から無くしたとしても、チャイコの三大交響曲だけは是が非でも守りたい」と書いてある。
私も学生時代だったら、こんなページを作ったかもしれない(チャイコへのこだわりは私にはあまりないが)。昔の自分を見ているような気恥ずかしさを感じてしまった。推薦盤の古さも、何か郷愁を誘う。
「はじめましてくらしっ君!」というページには、これからクラシックを聞こうとする人への参考となるように、幅広い時代の作曲家の作品が並んでいる。中には私の知らない作曲家の作品もあって、私にも参考になるものもある。私がクラシックにのめり込んだ最初の頃と似ていると感じさせる点があった。それは、選ばれた曲に声楽関連がないことだ(ほぼ唯一の例外はベートーベンの第9くらいか)。オペラも含まれてはいるが、選曲されたものはすべて序曲などの器楽系。私も最初の頃は、意図的に声の入っていない曲を選んで聞いていたかもしれない。マーラーの曲として、交響曲第1番だけが取り上げられているのは、その傾向を端的に表しているように思う。
また、最終更新が2005年のためか、「のだめ」で何度も流れたベートーベンの交響曲第7番が入っていないのは、今から見るとかえって不自然にさえ感じられる。
ケチをつけるわけではないが、クラリネット関連であえて反論したくなる選曲もあった。それはブラームスのクラリネット曲。ソナタの第2番をしかも推薦盤としてポール・メイエの旧盤である。ブラームスのクラリネットの曲なら、特に「秋に聴くと涙が出てきそう」というのであれば、クラリネット五重奏の方だろうし、ソナタを推薦するなら、せめて、メイエより音を長めに吹く人の方がよいのではないだろうか。
そういう突っ込みはさておき、こういう時期を通り越して、ある種の熱病のような感覚が覚めたとき、それでもクラシック音楽を好きでたまらないと思うことができれば、もっと幅広くもっと深く西洋音楽の歴史に触れることになることだろう。
なんといっても、声楽はグレゴリオ聖歌以前から脈々と流れる西洋音楽の本流であり、クラシック音楽のおそらく半分以上は、声楽関連だから。
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