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「クラシック名曲サウンドライブラリー」というサイトがある。コンピュータで制作されたクラシックのmp3データを無料でダウンロードできるもの。制作者が打ち込むデータを注意深く確認すれば、音程やアインザッツなどでのミスが存在しない点が決定的な長所だ。しかし、MIDIや一昔前のmp3は鑑賞用とは決していえないレベルだったが、最近は、そう決め付けられないものになってきた。
特にピアノやオルガンなどの曲は、奏者の(悪い意味での)「癖」がない分、聞きやすいものもあったりする。それに、知らない作曲家の曲が無料で聞けるとなれば、利用しない手はない。たとえば、ジョン・フィールドという作曲家のノクターンは、ショパンに影響を与えたというだけあって、ショパンという川の源流を見る思いがする。
ところが、管弦楽となると、まだ不自然さの方が耳についてしまう。つい最近、ベートーベンの「田園」の全楽章がアップされた。制作者の根気(というか努力というか)には感服するが、やはり聞いていると不自然に感じる箇所で覚めてしまうのだ。
具体的には、トゥッティで(特に弦楽部分か?)音の出だしから少し遅れた頃に音量が最大になる点と、音の終端が不自然なほどまっすぐ(音が減衰しない)すぎたり、音が不自然に長かったりする点だ。また、テンポも安定しているのは一面でいいことではあるが、アゴーギグ(ゆらぎ)がないのは時に気持ち悪い。
また全体に遅めのテンポ設定は、製作者の好みなのだろう。
そのサイトで推薦盤として掲げられているのが、フルトヴェングラーであるから、この点は私の好みと違うだけかもしれない。
かなりケチをつけているくせに、なんかハマッてしまって何度も聞いてしまったのは、きっとベートーヴェンの音楽の本質的な魅力というか底力なのかもしれない。
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