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バストロといえば、思い出すものがある。
金管アンサンブル曲として定番である、クリス・ヘイゼル作曲の猫組曲の中のクラーケン。
猫組曲は、クラノワでも2度取り上げたほど、私も他のメンバーも好きな曲。
なかでもクラーケンは冒頭のバストロンボーンが出すリズムの存在感がたまらなくカッコよかった。私が高校生の頃にラジオで聞いたフィリップジョーンズ・ブラスアンサンブル(PhJBE)の来日公演のアンコールの中にあって夢中で聞いた記憶がある。
その後、当アンサンブルの解散、チューバ奏者ジョン・フレッチャーのあまりにも若い死などがあり、つい数年前にはフィリップジョーンズ本人も逝去してしまった。が、この組曲は人気が途絶えないらしくときどき、金管アンサンブルのCDに入っている。
最近のアンサンブルは技術的には当時のPhJBEよりも格段に進歩して巧くなり、演奏の正確さでは上回っているが、なんか味わいは逆に薄くなりつつあるような気がする。PhJBEの絶妙なテンポ感を最近の人たちはわかっていないのではないだろうか。
最近の演奏はテンポが速すぎるのが多い。彼らは颯爽とした演奏を目指しているのかもしれない。PhJBEの演奏を遅いと感じていたのかもしれない。
でも、あのテンポが持つ「間」というか、「ため」というか、そういったものが醸し出す遊び心が面白いのに...なぜ、そんなに急くのかなあ...
私が年を取ったってことかな。
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