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ウジューヌ・ボザ(Eugene Bozza) (1905-1991)が(クラシック)サックスの神様マルセル・ミュールのために作曲した小品。物憂げな甘い旋律が魅力的。技術的には私のような初心者レベルでも十分演奏可能なもの。
ただ、ミュールの一番弟子だったデファイエとボザとの有名な確執のため、デファイエ自身は全く演奏していないそうだし、その弟子の方々もほとんど演奏しないようだ。せっかくの曲なのにサックスの演奏は少ないのだ。
ところが、この甘い旋律に惹かれるのか意外とクラリネット奏者による演奏が少なくない。ベルリンフィルの首席クラリネット奏者ヴェンツェル・フックスが何年か前に来日したおりのリサイタルのアンコールにこれを演奏していたのは印象的。作曲者名をドイツ語的に「オイゲネ・ボッツァ」と発音していたのは笑ってしまったが。
ロシアのクラリネット奏者Alexey Gorokholinskyの"Time Pieces"というタイトルのCDにも入っている。アルトサックスの譜面と同じ伴奏譜が使われるため、Bb管クラリネットには音域が低めでクラ吹きには少々欲求不満になる人もいるかもしれないが、この音域であることがかえってサックスの場合よりも物憂げな情緒が感じられていいと思います。
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