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ここ数日、朝の電車のなかで、バッハのロ短調ミサ(BWV232)を聞いている。
ミサ曲というと重くて暗いイメージがあった。この曲もそういう部分はなくはないが、全体としてはすばらしいの一言。さすがに、バッハが晩年に編纂したバッハ音楽の集大成だけのことはある。バッハの集大成ということは、バロック音楽の集大成でもある。
人によっては、クラシック音楽の最高峰とも言うらしい。
それほど高名な曲であり、解説はネット上にいろいろあるのでここでは解説めいたことは書かない代わりに、私の聞き方を紹介します。
第1曲目のKyrie eleisonは飛ばします。これはロ短調で暗く重いので、朝の「おなか」には辛いのです。第2曲目のChriste eleisonが平行調のニ長調でとてもいいです。バッハの曲はどれも、長調といっても最初から最後まで能天気に明るいだけではありませんが、一日の始まりはこんな感じで少し軽めで気張りすぎないのがちょうどよさそうです。
ロ短調ミサ全体では100分ほどかかる曲ですので、通勤途中で全部は通して聞けませんが、気分のよくなる曲だけつまみ食いするのが体調によろしいようです。
途中に何度かロ短調の曲がありますが、たいてい飛ばしています。

お勧めの演奏は、マイクが近い感じで収録されているものが各独奏楽器や独唱者の演奏がくっきり聞こえてきてよいです。
私が聞いているのは、今、入手可能かどうかわかりませんがルネ・ヤーコブスが指揮した演奏
どの楽器も独唱も合唱もとても美しくハイレベルな演奏だと思います。
ヤーコブスという人はご自身がカウンターテナーとしても超一流の人であるせいか、こういった曲の扱いが見事です。どの合唱も独唱も柔らかくしかも明瞭に聞こえてきます。大変気持ちよい演奏です。

以前にこのブログで紹介したRuth Ziesakが独唱に加わったCD(ジュリーニ指揮バイエルン放送響)があったので聞いてみたのですが、マイクが遠めの設定で、演奏会場にいる雰囲気に近いとは思うのですが、肝心の独唱陣が埋没してしまいがちでした。演奏そのものは悪くないのでちょっと残念。

昨夜、「ためしてガッテン」で美術館の歩き方をやっていました。たくさん展示してある絵画を全て同じように見ようとするのではなく、どれかを買うつもりでメリハリつけて見るのがいいそうです。
長い曲もそうやって聞いてもいいかもしれません。
作曲者には失礼かもしれませんが。
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