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ビゼー(October 25, 1838 - June 3, 1875)昨日はビゼーの誕生日!。
 「アルルの女」第1組曲〜第4曲「鐘」(1872)

ホルンのユニゾン開始が印象的な曲。明るくおおらかな
教会の大きな鐘が鳴り響いている感じが出ている。
2拍子でなく、3拍子であるところが、憎い。
実は、裏でヴィオラがホルンと同じ音を16分音符2つづつで
刻むようになぞっている。
これはほとんど聞こえないと思うが、当時のオーケストラの
バランス(ホルンが今より音量が小さい?)なら、
効果があったのだろうか。もし聞こえていたら、ひょっとしたら、ほんのわずかに遅れてくる「こだま」のように聞こえるのかもしれない。

ヴァイオリンの主旋律が始まると、ホルンは人数を減らすが、
交代しながら、誰かが常に「鐘」の音を吹き続ける。
ヴィオラの刻みも(一部、チェロにバトンタッチするが)ホルンに従う。

中間部は8分の6拍子。鐘は鳴り止み、テンポが落ち、短調になって
フルートの2重奏で始まる(弦楽伴奏)。寂しげだが優雅な舞曲のようだ。
途中からオーボエが加わり、やがてヴァイオリンも加わる。
このとき、アルトサックスとチェロで対旋律を奏でるのだが、
これが実に物悲しくて美しい。サクソフォンは、1840年代頃に
発明された楽器であるから、まだ、この頃は新しい楽器だった。
それをこのように巧く調理して使うとは、ビゼーは天才だ。
アルルの女には、アルトサックスの有名なソロや対旋律がいくつか
登場するが、いずれも、楽器の特徴を見事に表現している。
アルトサックスとチェロの重奏といえば、時代は下るが、
ハチャトリアンの「剣の舞」の中間部も同じだ。
剣の舞の中間部はかなり妖艶な色が濃いが、
ハチャトリアンもビゼーと似た感覚を持っていたのか、
パクッたのか知らないが、どちらも効果的だ。

中間部が終わる直前に、鐘の音が戻ってくる。ここも実に巧い。
8分の6拍子の2面性をたくみに使っている。
最初は、8分音符3つ単位で、次に8分音符2つ単位で使うことで
ゆっくりと鐘の音が戻ってきてやがてテンポを取り戻すように
感じられる。実際にテンポを戻して、最初の音楽に戻っていく。

この1曲だけ見ても、かように実に巧妙に作られている。
カルメンにしても、アルルの女にしても、こんな楽譜のことを、
何も知らなくても、聞いていて楽しいし、気持ちいい曲がたくさんある。
それなのに、カルメンの初演失敗でビゼーはひどく落ち込んでしまい、
体調を崩し、3ヶ月後に亡くなってしまった。享年37歳!
時代も死亡理由も異なるが、ガーシュインより若い?
あまりにももったいない。もっと曲を書いてほしかった。
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