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これも、私が素人ながら何とか手が届く作品として仲間に紹介したもの。Gerald Finzi (1901-1956)によるクラリネットとピアノのための5つの楽章からなる佳作。両端楽章は元気がよく、途中の3つの楽章はゆったりと叙情的だ。第5楽章だけは高音域や転調のために少々手ごわい所もあるが、それ以外は技術的な困難はない(ただし、途中の楽章で拍子がころころ変化するのできちんと数えていないと迷子になる)。
吹奏楽でクラリネットを吹いていても、案外、こういった曲を知らない人が多いものですね。私の知り合いを見渡す限り、サックス吹きには、自分の楽器の独奏曲に異常なほど詳しい人が多いのに。吹奏楽のクラ吹きさんって、毎度あまりにたくさんの16分音符を吹かされて、疲れてしまっているように思えます。指の練習だけで大変ですから。だから、白玉の音符を吹かせると、色気のない音楽になる人が少なくないんでしょうね。色気といえば、この曲の中間楽章などは単に楽譜どおり吹いてもつまらないだけの典型。プロも含めてほとんどクラ吹きさんが、まっすぐ音を出すことばかりに異様な執着をお持ちのようで、この曲もたいてい味の薄い演奏が多いです。そこでこの曲のお勧めの演奏は、ストルツマンになります(RCA RD60437)。このCDでは、伴奏がピアノではなく弦楽アンサンブルになっています。この編曲者は作曲者に師事したこともある人だそうで、ストルツマンの演奏と大変よく調和しています。なお、このCDには、有名なクラリネット協奏曲も入っていますがその話はいずれまた。
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